集団行動ができない!
というのは私たち発達障害者にとってあるあるですね。
ただ、残念ながら人付き合い、特に仕事において、
集団行動ができないのは致命的!
であるのは事実です。
そこで今回は、
- なぜ集団行動ができないのか、原因をはっきりさせる
- 暗黙の了解の明文化など、対応策を覚える
といったことを目標にお伝えしていきたいと思います。
今回参考にしたのはこちらの本です。
集団行動に関わる、発達障害の特性
発達障害の特性については、こちらの記事にまとめてあります。
これらの特性が、集団行動をする時に悪影響を与えるわけです。
具体的には以下のような場面です。
- 報告、連絡、相談が苦手
- 感情がすぐに表に出てします
- 相手を怒らせてしまう
などなど…
ではこれらの場面それぞれに対し、
どう対応していけば良いでしょうか。
特性への対応方法
報告、連絡、相談が苦手
この場合、発達障害の特性として影響を与えているのは
- 眼に見える明確なルールがないと行動できない
- 相手の状況への気づかいが苦手
といったことがあります。
目にみえるかたちでまとめる
まず、
誰に、何を、いつ報告するのか、これを書き出しておきましょう。
次に、
報告する要件、結論、理由、対策をメモに書き出します。
そしてそのメモを見ながら落ち着いて報告することを心がけましょう。
相手への気づかい方法を、具体的に覚える
他の方なら自然にできることも、
私たち発達障害者には難しいことがあります。
気づかい、というのもその一つです。
そこで、気づかいを具体的に整理し、覚えるようにしましょう。
- できるだけ相手が一人の時に声をかける
- まず名前を呼びかける
- 「いいよ」と言われてから用件を話す
感情がすぐに表に出てしまう
これには
- 感情のコントロールが苦手
- 相手の言動をネガティブにとらえやすい
といった性質が影響します。
クールダウンの方法を覚える
イライラや怒りなどのコントロール方法を覚えましょう。
いわゆる「アンガーマネジメント」ですね。
具体的には以下の通りです。
- 水などを飲む
- 顔を洗う
- 何かをギュッと握る
- ゆっくり深呼吸を繰り返す
- 「自分は大丈夫」と、落ち着かせる言葉を声に出して繰り返す
事実だけを見るよう意識する
私たち発達障害者は、感情と事実をごちゃ混ぜにして
過剰な反応をしてしまいがちです。
これを防ぐために、感情を切り分けて事実だけを見るように意識しましょう。
(例)ミスを注意された
→(事実は)ミスを教えてくれた
ミスを直して欲しいと言っているだけ
間違ったままだったら自分が大変な思いをしていた
といったように考えられるよう、繰り返し意識していきましょう。
相手を怒らせてしまう
- 衝動的に失言してしまう
- 視線を合わせるのが苦手
こういった特性をあります。
では、どう対応すれば良いでしょうか。
口に出す前にいったん時間をおく
失言が多い場合は、
まず、言葉にする前に少し時間を作って考えるようにしましょう。
文字に書き出して冷静になる
ということも有効です。
また、
まず何事も肯定から入る
ということを覚えておくことも良いでしょう。
正しい話し方や態度を覚える
話し方や態度をあらためると、相手が怒らなくなる場合もあります。
- 視線を合わせる(難しければ目のすぐ下を見る)
- 時々「うんうん」とあいづちを打つ
といったことができるようになりましょう。
相手との距離感がわからない
適切な距離感、というのは
私たち発達障害者にとって、とてもあいまいで理解しづらいものです。
そこで、具体的なルールを決めて対応しましょう。
相手に近づきすぎない
人との適切な距離を、具体的に決めてしまいましょう。
(例)用がないとき →人との距離は2mくらい
面と向かって話すとき→1mは最低限離れる
このように相手に不快に思わせない距離を覚えておきましょう。
相手の言葉を理解しづらい
発達障害の特性から、
耳で情報をとらえるのが苦手
ということがあります。
そこで、次のように対応しましょう。
あいまいな指示は具体的に聞く
指示があいまいだったり、具体性にかけると
すぐに誤解してしまうのが私たち発達障害者です。
ですので、
なんかあいまいだな、よく分からないな…
そう感じたら、すぐに具体的に聞き直しましょう。
(例)「時間のある時にやって」
→「その仕事は期限はありますか?」
「あれ取って」
→「テーブルの上の箱ですか?」
など、しっかり確認をしておきましょう。
また、聞き取れない時には再度いってもらう、
ということも重要です。
チームプレーが苦手
これがあるんです。致命的ですね笑
ではどうしたら良いか。次の様に対応していきましょう。
暗黙のルールや気づかいを明文化する
発達障害者のあるあるとして、
空気が読めない(暗黙のルールが分からない、気づかいができない)
ということがあります。
そこでまず、暗黙のルールを一つ一つ明文化していきましょう。
(例)細かい雑用も重要だと知る
一人一人がやるべきことを明文化する
迷ったときはリーダーに相談する
次に、気づかいの仕方も明文化してしまいましょう。
- まず相手の行動を観察
- 重そうな荷物を持っている、などの状況を観察する
- 事実をそのまま伝える
- 「重そうですね」などと声かけする
- 自分に置きかえて対応する
- 自分だったらどうして欲しいか、を考え、「持ってあげる」等の対応をする
このように気づかいできるようにしましょう。
意見をうまく伝えられない
実は、意見を言うということには
聞く→理解する→意見を考える→発言する
という複雑な手順があります。
しかし、発達障害の特性上
これらのことを瞬時にできない、並行して考えられない
といったことがあります。
ではどうしたら良いでしょうか。
自分の思いを紙に書いて整理する
紙に書くことで、頭の中で考えるよりも理解が進みます。
頭の中だけで整理しようとせず、紙に箇条書き等で整理してから話しましょう。
少し待ってもらう
瞬時にできないだけで、
人よりゆっくり時間をもらえばきちんと話せる
という場合もあります。
「よく考えたいので、少し時間をください」
など、一言伝えて落ち着いて考え、
自分の意見を伝えられるようにしましょう。
まとめ
- 発達障害の特性によりさまざまな困り感が生まれる。
- 困っていることについて、現れている障害特性を細かく見つめると、対応も分かる。
- 特に、あいまいなことを明文化する、パターン化することは有効。
障害特性を理解し、トラブルを避けられるようになると
お金を稼ぎ続ける、お金を守る
といった力につながるようになります。
ぜひ、さまざまな困り感を明らかにし、トラブルを避けられるようになりましょう。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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