発達障害者の方、またはご家族の方で、
就職はどうやったら?そもそも就職できる?
と不安になっている方、少なくないかと思います。
今回は、発達障害者の就職についてお話しします。
この記事を読めば、
- 発達障害者の就職が難しい理由とその対策
- 発達障害者の就職方法
- 就職の仕方におけるメリットデメリット
について理解が深まります。
今回参考にした本はこちらです。
発達障害者の就職が難しい理由
発達障害者の就職は難しいです。
- 働くことや、そもそもの仕事探しにおいて、特性が影響する
- 就職に伴い、障害を伝えるかどうか、そのどちらを選んでも難しさがある
といった理由があるからです。
就職に影響する発達障害の特性
まず、仕事探し、就職活動においては
- 見通しがもてないと極端に不安になる
- 後回しグセがある
- マルチタスクが苦手
といったことがあります。
これについては、それぞれ
- 就職活動のどういった流れにどういう特性が影響するか
- 特性に対してどう手立てをすれば良いか
について以下の記事でお伝えしていますので、参考にしていただけたらと思います。
いざ働き出してから最も大きく影響する特性が
集団行動が苦手
ということだと思います。
こちらについてはこの記事でお話ししています。
この記事に
- あいまいな指示は具体的に聞く
- 自分の思いを紙に書いて整理する
といった対応方法を書かせていただいていますので、参考にしていただきたいです。
発達障害者の選択肢
発達障害とは、目に見えない障害です。
ですので、
障害を周囲に伝えて働く「オープン就労」と、隠して働く「クローズ就労」
の2つから選ぶことができます。
ですが、これら2つにはどちらもメリット、デメリットがあります。
オープン就労
< メリット >
- 障害を伝えることで適切な支援を受けられる可能性がある。
< デメリット >
- 障害を伝えることで、想定外の中傷などを受ける可能性もある。
- 昇給や昇進がクローズ就労に比べてゆっくりになる可能性がある。
クローズ就労
< メリット >
- 障害のない人たちと同条件での昇給や昇進を目指すことができる。
- 障害を明らかにすることで起こりうるトラブルを避けることができる。
< デメリット >
- 支援や配慮を望めないため、相応の努力が必要となる。
発達障害者の就職の流れ
基本的な就労の流れについてはこちらに書かせていただきました。
こちらに書かせていただいたのは基本的な就労の流れです。
これとは少し異なるのが
障害者雇用での就労です。
障害者雇用とは?
企業には、会社内に一定数障害者を雇用しなくてはならない
という法律があります。
これを会社が守るため、「障害者枠」という形で障害をもつ方々を雇う、
その方法が障害者雇用です。
私たち働く側から見れば、最大のオープン就労というわけです。
障害者雇用と一般雇用の違い
障害者雇用に対して、その他の一般的な雇用形態を
一般雇用と言います。
では、障害者雇用は一般雇用と何が違うのかを見ていきましょう。
< 求人数 >
- 一般雇用に比べて少ない
- 増加傾向にはある
< 職種 >
- 一般事務や軽作業に限定されることが多い
- 一方で、発達障害の強みを活かした仕事に特化できる
< 雇用形態、条件>
- 契約社員、アルバイトが多い(正社員も増えつつある)
- 継続雇用の仕組みが整っていることが多い
- 年数が経っても待遇や業務内容が変わらないことがある
< 勤務時間 >
- フルタイムと短時間勤務が選べる
- 個人の状況に合わせて勤務時間を調整してもらえることもある
< 支援について >
- 必要な配慮を受けやすい
- ジョブコーチなど、会社以外からもサポートを受けられることがある
短くまとめると
< メリット >
多くの場面で配慮、支援が望める
< デメリット >
給与などの待遇面が一般雇用に劣る
(例)
障害者雇用(発達障害)の平均給与…164000円
この金額は、一般雇用をされている方から見ると、かなり少ないと感じるのではないでしょうか。
障害者雇用の流れ
基本的な流れは一般雇用と変わりません。違うのは
- 求人が「障害者雇用」というカタチになること
- ほとんどのケースで障害者手帳を求められること
- 就職試験の際に実習やインターンシップが実施されることあること
- 利用できる支援機関があること
といった点です。
利用できる支援機関は以下のとおりです。
- ハローワーク
- 就労支援センター
- 障害者職業センター
- 就労移行支援事業所(一定期間通所し、その中で支援を受ける)
ハローワークの活用方法
支援機関の中で最もお世話になることが考えられるのが
ハローワークです。
ハローワークでは、求職者に対して、無料で職業相談や職業紹介をしてくれます。
ですので、まずハローワークに行ったら求職申込書に記入して求職登録をしましょう。
求職登録後は、具体的には以下のようなサービスを受けることができます。
- キャリア相談、各種セミナー
- 面接の練習、アドバイスを受けられたり、ハローワーク主催のセミナーに参加できる
- 職業訓練の紹介
- 面談を行い、必要な訓練カリキュラム(PC、機械、事務など)の紹介を受けられる
- 障害者向け合同面接会
- 障害者雇用を考える企業が集まって行う面接会に応募できる
まとめ
- 発達障害者の就職は特性の影響があって難しい。でも対策はできる。
- 発達障害について周囲に伝えるか、伝えないかを選ぶことができる。
- 周囲に理解を最大限に求める、障害者雇用という選択肢もある。
- オープン就労、クローズ就労、障害者雇用、どれにもメリット、デメリットがある。
私自身発達障害者で就労をしている身です。
メリット、デメリットを考えた上で、現在は一部の上司にのみ障害を打ち明ける、
いわば限定的なオープン就労をしています。
発達障害者の就労の仕方はさまざまなやり方があると思います。
発達障害=就職できない
ではないので、障害特性と向き合い、自身に合った就職方法を選んでいただけたら、と思います。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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