子どもが不登校になってしばらく経つが、どうしたら良いものか…
そんな悩みをもつ方、少なくないと思います。
私自身、兄弟が不登校だった時、
どう接したら良いか分からず、困惑したものです。
以前も少し触れたのですが、
今回は不登校の時期別の対応について、少し深く掘り下げてお話ししたいと思います。
この記事を読めば、
- 不登校への対応について、おおよそのビジョンがもてるようになる
- 不登校の1ヶ月段階での具体的な対応について理解できる
といったことがあります。
今回参考にしたのはこの本です。
不登校から復学までの流れ
不登校から復学までの流れについてはこちらの記事でも言及しています。
不登校は、
前駆期→混乱期→休養期→回復期→助走期→復帰期
という段階に分けて考えることができると言われています。
今が何期なのかを考え、対応する
不登校は6つの段階で考えることができるとお伝えしました。
このそれぞれの段階では
子どもの心のエネルギー量や状態が異なるため、
周囲のサポートもまた、それを踏まえて対応しなければなりません。
ですので、「1ヶ月」という同じ期間でも
お子さんが何期にあたるのか
これを考えなくてなりません。
前駆期の特徴
前駆期は不登校の前段階です。
学校での悩みを口にしたり、登校をしぶり始めたりするなど、
不登校の予兆となる行動が見られるようになります。
前駆期の子どもへの対応
まず子どもの悩みを察知することが大事になります。
この段階では、本人自身でトラブルを乗り越えたり、
環境の変化で自然と解決するケースもあります。
また、悩みを聞いてあげた上で適切に声かけをすることで、
その悩みを乗り越えて再びスムーズに登校しだすこともあります。
混乱期の特徴
混乱期は不登校の初期段階です。
(例)
- 布団から出てこない
- 玄関で動けなくなる
- 家を出ても戻ってきてしまう
- 昇降口から教室まで行けない
- すぐに涙目になるなど、不安定な様子が見られる
混乱期の子どもへの対応
親の対応
以下のような対応が考えられます。
- 子どもがゆったりできるように見守る
- 一緒に過ごす時間をつくる
- 学校に行かないことを責めずに話を聞いてあげる
- 疲れている様子があったら無理させずに休ませる
学校との連携
不登校には、学校と連携して対応することが必須です。
以下のように対応するのが良いでしょう。
- 休む連絡を学校に入れ、その際に家での様子も伝える
- 学校に行く機会があれば、担任、養護教諭などに状況説明、相談をする
- 必要があればスクールカウンセラーの予約を入れる
休養期の特徴
混乱期の期間は子どもによって異なります。
ですが、適切に関われば次第に子どもは落ち着いてくると思われます。
ですが、また子どもはエネルギーが枯渇している段階なので、
家庭で回復することを優先することになります。
この期間を休養期と呼びます。
(例)
- テレビを見るなど、自分のペースで過ごす
- ほっとした様子だが、外には出たがらない
- 徐々に食欲が出てきたり、顔色も良くなったりしてくる
休養期の子どもへの対応
親の対応
難しいことですが、
無理をさせずに受け止める気持ちで対応することが必要になってきます。
- 焦らずに落ち着いて子どもと接する
- 登校を無理に促さない
- 受け止める気持ちで話を聞く
- 長期化して親が不安になった場合はスクールカウンセラーなどに話を聞いてもらう
といった対応が良いでしょう。
なお、この期間には生活習慣の悪化の傾向があります。
多少の乱れは許容が必要ですが、もし可能であれば
生活習慣をある程度正しい形で維持できると理想的です。
学校との連携
- 時々電話で担任に子どもの様子を伝える
- 再登校に備えて、学校との繋がりは切れないようにする
- 子どもの気持ちを尊重しつつ、もしできたら担任と話す機会をもつ(電話も可)
回復期の特徴
子どもの心のエネルギーが回復してきて
外への意欲が少しずつ湧いてくるのが回復期です。
この期間は外に出るのに慣れて再登校までの慣らし運転になります。
できるだけ、子どもの意欲に沿って、外出の経験を積んでもらいましょう。
回復期の子どもへの対応
親の対応
- 担任から聞いた学校の様子を子どもにも伝える
- 行事の情報等を教えてあげる
- 「午前中だけ登校してみる?」などの話し合いをする
- 登校の促しは、子どもの気持ち第一で、スモールステップで行う
学校との連携
- 担任に、元気が戻ってきた様子を伝える
- 再登校しやすいよう、環境の整備を学校に依頼、相談する
助走期の特徴
この時期では主に
再登校を目指す
あるいは
別の場に通う
という選択を考えることになります。
学校以外の場所を考える場合には
- 別の学校への転校
- フリースクール
- 通信サポート校
といったことが選択肢に上がるでしょう。
再登校を目指す場合には、
学校内の環境調整が行われていることが大前提となります。
助走期の子どもへの対応
この時期は、親と学校が連携して対応することが前提となります。
保護者は、学校に以下のような環境調整が行われているかを確認しましょう。
- (いじめ等のケースなら)生徒指導は行われているか
- (本人に何らかの難しさがあるなら)合理的配慮は可能か
- クラス編成や担任の配置など、再登校可能な配慮がされているか
- 子どもの情報がちゃんと引き継がれているか
また、いきなり元通りの再登校は難しいので、
週1、2回とか、午前中だけ、などといった
スモールステップでの登校を提案していきましょう。
復帰期の特徴
復帰期は、限定的でも学校やその他の場所に通えるようになった時期を言います。
この時期になれば、将来の進路、あるいは就労について
ビジョンを持って勉学に励むことになります。
学校との連携が難しいケースの対応
Xを見ていて絶句するのですが、
もしポストされている内容が真実なら
世の中には、不登校児への理解がない教師が少なくないのかもしれません…。
(もちろん、X上のそういったアカウントが偽教師であることを願っていますが)
実際、学校との連携が難しく、
不登校児への支援の足かせとなっているケースも耳にします。
そういったケースには以下の手順での対応が適切かと思います。
- 担任と保護者で面談。対応を相談。
- 1でダメなら管理職(校長、副校長)に連絡。担任、保護者、管理職で面談。
- 2でもダメなら教育委員会や外部の支援機関と連携を図る。
近年では教育委員会も人手不足で、対応がうまくいかないケースも考えられます。
外部の支援期間を頼ったり、
これについては効果のほどは分かりませんが、
文科省のご意見窓口案内に伝えることも一つの手かもしれません。
まとめ
- 不登校には6つの段階があると言われている。
- 1ヶ月という期間だけではどの段階にあるか分からない。
- 期間ではなく子どもの様子からどの段階であるのかを考え、適した対応をしていくのが良い。
不登校対応では子どもはもちろんですが、
保護者の心がすり減っていくケースをよく目にします。
どうか、この記事が少しでもそういったケースの力になれますよう、強く願っています。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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