不登校問題がこじれるケースとは?

不登校について

子どもが不登校になってから長い時間が経っても解決しない…

不登校の対応が学校とうまく連携できない

そんなお悩みはありませんか?

私は身内が不登校になった際にも、教員として不登校の対応をした際も

同様に悩みを抱えていることがありました。

ですので今回、この問題について考えてみました。

この記事を読めば

  • 子ども、保護者、学校の3者が違う方向を向いていると問題がこじれやすい
  • 同じ方向を向くには情報を共有しておくと良い

といったことについて考えることができます。

今回参考にしたのはこの本です。

過去、こじれたケースの振り返り

まず、私が過去に対応した、

不登校対応がうまく行かなかったケースについて振り返ってみます。

積極的不登校のAくん

あまりないケースですが、この子は自分から学校へ行かないことを選択している

いわば積極的不登校の生徒でした。

その際の対応等、特記事項についてまとめてみます。

  • 学校以外に好きな居場所がある。
  • 保護者は登校を促している。
  • 発達障害の傾向が強かったが、診断はせず、本人も自覚はない。
  • 対応に半年間。結果、退学。

冬季うつの傾向のあるBくん

これも少ないケースですが、冬になると明らかに活動が鈍る

元々あった鬱傾向が加速する、冬季うつの傾向がみられる生徒でした。

  • 特に目的もなく不登校。
  • 保護者は登校を促したりそうでなかったりする。
  • 発達障害の診断アリ。本人の自覚は無し。
  • 対応に1年半。結果、退学。

遅刻グセのあるCくん

このタイプは多いですが、不登校になる場合とそうでない場合があり、

C君は不登校につながってしまったケースでした。

  • 学校が嫌いではないが、時に一定期間不登校になってしまう。
  • 起立性調整障害の傾向はない。
  • 保護者は登校を促していない。
  • 発達障害の診断アリ。
  • 対応に2年間。

こじれたケースの共通点

他にも、愛着障害を発症したケース、躁鬱病から不登校になったケース

など様々振り返りましたが、

状況は本当に千差万別でした。

ですが、状況がこじれている際に一つの共通点を見つけました。

それは、

本人、保護者、学校が別々の方向を向いている

ということです。

登校を目指すのか、そうでない道を選ぶのか、そうでないならどういう道なのか

この辺りの意識が3者で揃っていない場合に、

不登校の問題がずるずると長引いていたようです。

不登校問題がこじれる理由

不登校問題がこじれる理由の一つ、それは先ほどお伝えした

本人、保護者、学校が別々の方向を向いている状況である

ということだと私は思います。

では、なぜそういった状況が起きるのでしょうか。

子どもと学校は向いている方向が違う

まず、大前提として、子どもと学校は向く方向が逆になりがちです。

子ども→学校へ行きたくない

学校 →学校へ行かせたい

当たり前ですがこの構図になります。

そして、この両者はこの方向をなかなか変えづらい性質があります。

ですので、状況が複雑になりやすいです。

保護者の負担割合が大きい

上の構図の中、では保護者の立ち位置はどうなるでしょうか?

ここが一番大変で、唯一向く方向を選択しやすい立場になりますが、

一方、両者のバランサーであり、

向く方向の決定者にもなりがちなのが、保護者です。

ですので、最も負担が大きい立場

と言っても過言ではないかと思われます。

学校はリーダーシップを取りづらい

これはぶっちゃけた話ですが、

元教員の立場から言わせてもらうと、

不登校問題については学校はリーダーシップを発揮しづらい立場になります。

  • 学校は家庭の中に入り込む権限はない
  • 家庭訪問に割ける時間は限定的
  • 学校教育はどうしても教育の場が学校中心に作られており、家庭への支援が想定されていない
  • 学校が連携できる外部機関も、「要請があれば動く」というスタンスなので、保護者の発信が必要

なので、学校の役割としては、

  • 本人の個性に応じて、登校しやすい環境調整をしておく
  • 本人が登校しやすいよう、人的調整をしておく

といったことが中心になってきてしまうかと思います。

不登校問題をこじらせない対策

これらの対策は行える時期が限定的です。

不登校にはいくつかの段階があることを過去に紹介しました。

この中の回復期、もしくは前駆期にこそ行える対策であり、

それ以外の時期には不向きかもしれません。

子どもへのアセスメントを密に行う

本当は本人と話をし、意思の疎通を図るのが最も良いです。

一方、不登校の子どもにとって、保護者と話をするということも一つ負担になるかもしれません。

この場合はインフォーマルアセスメントが中心になるかと思います。

検査ツールを使うのではなく、状況をなるべく客観的に記録する

という手法です。

これにより、日常生活や学習面、メンタルについて記録をし、

それを元に、子どもの困り感や今後の適性について考えていくというのも良いでしょう。

出口戦略について共有する

ここが最も重要かと思います。

どういう選択肢があってどれを選ぶのか。

これについて3者でイメージを共有していると、

あとはそこに向かっていくだけなので、

行動に不安もなくなり、こじれることもほとんどなくなるかと思います。

そして私が最も重要だと思うのが、

学校に行かないという選択肢も、一つ持てるようにしておく

ということです。

不登校の出口戦略について、以下の記事を書きました。

ここで書いているように、学校へ行かないという選択肢も

現実的なもの、として考えらえると、

保護者は

「学校に行かせなくてはいけない!」

という思いを一旦横に置いて、柔軟に対応できるようになるかもしれません。

学校以外、ということも選択肢の一つとしておき、

その上でお子さんと話をすると、方向性をまとめやすくなるのかと思います。

まとめ

  • 子ども、保護者、学校が違う方向を向いていると不登校は長引きやすい。
  • どこを向くのかの舵取りは保護者が担うことになりがち。
  • 再登校のみではなく、違う選択肢も現実的に持っておけると、子どもと話がしやすい。

今回はかなり私も主観に基づいた話になってしまいました…。

またこのあたりについて、色々とご意見いただけると幸いです。

本日も、お読みいただきありがとうございました。

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