子どもが不登校になって、この子は一体どうなってしまうのか…、私たちの育て方が悪かったのか…、そういったお悩みを抱えていらっしゃる方、少なくないと思います。そういった悩み、全然問題ないのです!今回は、こういった悩みを抱えていらっしゃる方々に、全然大丈夫なんだよ、ということをお伝えしたいと思います。
今回参考にしたのはこの本です。
うちの子だけじゃない!不登校傾向は莫大な数に登る!
現在、不登校の子どもの数は莫大な数に上っています。文科省の調査によると、小中学校で30万人程度にも及びます。ただ、実態はさらに大きく広がっており、教室外登校、部分登校、仮面登校といった、不登校の傾向にある児童生徒を含めると、こちらの調査では、中学生の10人に1人が不登校傾向にある、ということなのです。クラスに3人程度は不登校傾向である、ということになります。不登校は、決してごく稀な現象ではなく、誰にでも起こり得る、自然なことでもあるのです。
不登校が苦しい理由と、お伝えしたい話
とは言え、子どもが不登校になってしまうと、保護者さんの心は不安に包まれてしまうと思います。なぜなら、未来が不安になるから。他の多数の子と違うレールを走るようになり、世間からも今ひとつ理解されていない感覚のある生活体系になり、将来が想像していたものから未知のものになる、そういったことは大きな不安を生むでしょう。
これに関して、私は一つの回答を考えています。それがこちらの記事です。今、世の中は大きな転換点にあります。皆さんが今まで思い描いていた「普通の暮らし」、それがむしろ成り立たなかったり、将来に大きな不安をはらんでいたりするんです。ですので、むしろしっかりとお金の知識をつけさえすれば、登校不登校にこだわらず、将来に大きな不安を感じずに済むのです。私自身、今の生活で身をもって実践していますので、その記録も宜しければ見ていただけたら、と思います。
変わってきたのは文科省も!方針を大転換!
世の中に合わせて文科省も方針を大転換しています。2019年に、「不登校児童生徒への支援は、『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、社会的に自立することを目指す」としているのです。学校も「登校が正解だよ」というスタンスではなく、「卒業後の社会的な自立がゴールだよ」というスタンスに変わっているのです。
お気持ちをお大事に!保護者のメンタルケアについて
私が考える不登校支援の大きな柱の一つが「保護者のメンタルケア」です。以前の記事でもお伝えしましたが、保護者は不登校支援の最前線で戦う立場になってしまいやすいです。ですので、一番疲弊しやすい立場でもあります。保護者のメンタルケアは必須です。
(難しいけど)一人で抱え込まないで!
不登校については、その原因を家庭に求めてしまうことが多くあります。そんな中でさらに、見当違いのアドバイスを受けたり、責められたり、意見の食い違いがパートナーとの間で起こったり、と、自責の念にかられたり、周囲を否定したくなったりしたくなる出来事はたくさん起こり得ます。そうすると、元々内に秘めていた孤独感がますます強くなる、負のループに入るのです。大事なのは、とにかく良い人を見つけてその人と繋がり、孤独にならないことです。
主な相談先
- 不登校の親の会
- 教育支援センター(旧、適応指導教室)
- 教育相談センター(教育センター、教育相談所、教育相談室)
- 子ども家庭センター
- 児童相談所
- 民間、もしくは受診先のカウンセラー
正直、「そんなところ、何回も相談した!」という方もいらっしゃるかと思います。それでも、何とか良い吐口が見つかったら…、とそう願うばかりです。
自分の感情を書き出してみる
一つの心理療法ですが、自分の気持ちを書き出してみる、これだけで少し気持ちが整理されることはあります。マイナスな気持ちは我慢していても心の中で膨らんでしまうことが多いです。我慢はせず、ノートでも何でも良いので、「子どもに腹が立つ」「周囲のアドバイスがうるさい」など、自分の中に湧き出てくる感情を書き出してみてください。
ただ、ここで一度振り返っていただきたいんです。上記のような湧き出る不満も、どれも結局愛情から来ていることがほとんどなんです。頑張っている、苦しんでいる、そういった気持ちも愛情から来ている、これに気づいていただきたいんです。
自分で自分を評価してみる
保護者の皆さんは、現在ではとてもストレスフルな環境に置かれています。昔々、昭和の時代では、子育ては祖父母や親戚、ご近所で協力して行う、みんなでするものでした。それが核家族化が進み、育児に求められるものは、減るどころか増え、一方でみんなでしていたものを保護者だけで行わなくてはならない、そんな環境になってしまっています。現在の保護者の方々のご苦労は、社会構造的な問題だと思うのです。一方、そういったご苦労をされていること、中には心が折れそうな方もいらっしゃると思いますが、それは頑張っている証拠なんです。頑張っている皆さんを、まず褒めてあげましょう。先ほど同様に、何かのノートに、「ここ2、3年で自分ができるようになったこと、頑張ったと思えること」を書き出してみましょう。人と比較はせず、自分軸だけで、自分と比較していきましょう。「子どもに大声を出さなくなった」「少し開き直れるようになった」何でもいい、幾つでもいいです。ご自分が成長していることに気づき、ご自分を褒めてあげてください。
不登校の大きな要因!こんな先生に気をつけて!
少し話はそれますが、保護者の方々がご家庭で悪戦苦闘していらっしゃる中、学校現場の不登校への理解は、まだまだ進んでいない、と感じています。実際、不登校になった原因の調査にて、不登校のきっかけは何か、という質問への回答が「先生のこと」と回答した子どもは、小中学校でそれぞれ3割(小学校では1位の回答、中学校では3位の回答)となっており、学校の指導体制がまだまだ不十分であることを示しています。特に、「求めるだけの教師」の存在が問題視されています。「何でできないの?」「僕も頑張っているんだから君も頑張れ!」という発言を多用するような先生が、生徒を追い詰めるのではないか、と考えられています。そういった先生に出会ったら、お子さんへのケアに注意が必要かもしれません。
逆に、こんな先生が不登校を防ぐ!
端的にいうと「そばにいると『心のエネルギーの充電ができる』先生」、こういった人が、不登校を防げるかと思います。具体的には以下のような特徴です。
- 生徒に関心を持ち、より良い関係性を作ることに注力してくれる
- 心の安全基地になることができる(アタッチメントを築くのが上手)
- 生徒が「辛い」と思った時に助けを求められる雰囲気をちゃんと持っている
- 生徒に裏切られても裏切られても見捨てない
こういった先生は不登校を未然に防ぎやすい、と考えられています。先生のスタンスには、こういった姿勢を求めていきましょう。
まとめ
- 現在では昔に比べて不登校傾向は一般的になりつつある。ぜひ、特別なものと思わずに。
- 将来への不安は解決する術自体はある。あくまでも登校ではなく自立をゴールに。
- 保護者の方々が一番苦労されている。ぜひ、メンタルケアの実践を!
- 先生が不登校を助長している、という側面もなくはない。ご注意を!
正直、私が一番お伝えしたいのは保護者の方のメンタルケアです。ぜひ、ご自愛いただき、その上でお子さんと向き合えるようにしていただけたら、そう切に願います。不登校がご家庭を追い詰めるようなことがなきよう、世間の目や学校の体制にも、ぜひアップデートしていただきたいものです。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
コメント