気持ちの切りかえができない
これは私もずいぶん悩まされました。
発達障害者にはいつもついて回る悩みかと思います。
ですが、これができないと上手に社会生活を営んだり、
仕事にはげんだりすることができません。
そこで今回は、
- 気持ちの切りかえが苦手なのは発達障害の特性。
- 切りかえ方は、マインドフルネスなど、いくつか手段がある。
という話についてお伝えしたいと思います。
今回参考にしたのはこの本です。
発達障害者の脳ではこんなことが起きている
実はこれまで発達障害については
「こんな症状が出ているから、こう対応しよう」
という話はとても多くあるのですが、
「そもそも何でこんな症状が出るのか」
については、あまり明らかになっていないんです。
それが近年、脳科学の発達により少しずつ明らかになってきました。
「注意」について
脳にはその部位ごとに幾つかの機能があります。
その中の一つの機能が
「注意」
です。
これは注意力が必要な時に活性化する機能で、
この機能の切りかえが弱いと
変化を嫌う、思考が固くなる
といった影響が出ます。
発達障害者においては、この機能の切りかえが弱いと考えられています。
「目標の選択、情報の更新、維持について」
注意の他にも
「目標の選択、情報の更新、維持について」
という機能もあります。
これは
臨機応変さ
に影響の出る機能で、これも発達障害者は弱いとされています。
「不安」について
「不安」は
不安や心配なことに敏感に反応する
という機能です。
これが強いと変化を嫌い、同じことを繰り返します。
この機能について、発達障害者は強いと言われています。
脳科学の視点からの解決方法
解決のためには
- デフォルトネットワークの抑制
- 扁桃体(へんとうたい)の過活動を意識する
- 認知再構築法
といったことが考えられます。
デフォルトモードネットワークの抑制のためのマインドフルネス
デフォルトモードネットワークとは
人が目を覚ました状態でリラックスしているときによく働く部位です。
発達障害においては、
このネットワークを抑制することで、
「注意」「目標の選択、情報の更新、維持について」
をうまくコントロールできるようになると考えられています。
では、具体的にどうしたら良いでしょうか。
ここで
マインドフルネス
が役立つわけです。
マインドフルネスとは、脳や心を整える方法の一つです。
実際にどのように行うかについてはこちらの記事で紹介しています。
扁桃体の意識と認知再構成法
扁桃体とは、脳にある、不安に反応すると過活動を起こす部位です。
この事実をもとに、認知行動療法を行うことで、
不安をコントロールできるようにする、というわけです。
認知行動療法とは、認知のクセを変えることで行動を変える、というものです。
ここでは2つの方法が考えられます。
まず1つ目は、
扁桃体がどれくらい活性化しているかを意識する
という方法です。
不安を感じた際に、
「あ、今扁桃体が60%くらい活性化してるのかな。」
と俯瞰(ふかん)してイメージをする。
これにより、落ち着き、不安に圧倒されずに済むようになります。
2つ目は、認知再構築法というものです。
これは、
- 起こった事実
- それに反射的にどう反応したか
- 本当はどんな反応が良かったのか
- 最も良い行動はどのような行動だったのか
を記録し、自分の反応を振り返ることで反応のクセを知り、
不安をはじめとした良くない反応をコントロールする、というものです。
これらの手法により、
「不安」をうまくコントロールできるようになると考えられています。
これまでの臨床から考えられてきた解決方法
一方、これまで考えられてきたメジャーな対応方法としては
臨床から得られた知見をもとに対応を考える
というものです。
臨機応変な対応をするには
これに関しては以下のような考え方を取り入れると
うまくいくと言われています。
- 過去のトラブルを記録しておき、なんだかんだ乗り越えられたことを思い出す。
- 「トラブルはいつも起こる。なければラッキー。」と考えるようにする。
感情が表に出ないようにするには
発達障害者はその衝動性から、
怒りのような強い感情を抑えにくい、という特性があります。
そこで有効なのが
アンガーマネジメント
です。
これを覚えて、怒りをコントロールできるようになりましょう。
- ゆっくり深呼吸を繰り返す
- 「私は大丈夫」と声に出して繰り返す
- 水などを飲む
- 顔を洗う
- 何かをギュッと握る
あとは、
なるべく事実だけを見る
という習慣をつけることも重要です。
(例)「ミスを注意された」
→ミスを教えてくれた
ミスを訂正してくれと言っているだけ
間違ったままだったら大変なことになっていた
といったように、冷静に事実だけを見れるようにしていきましょう。
落ち込みやすいことへの対処方法
私たち発達障害者は、その特性ゆえに
怒られたりすることが多く、結果落ち込みやすい性格になりやすいです。
そこで、気持ちを落ち着けて不安に向き合う方法を覚えましょう。
- 紙に不安を書き出す
- 別室に行く
- 簡単な体操をする
- 深呼吸をする
- 水を飲む
- 散歩をする
- 「大丈夫」ととなえる
- 仮眠をする
こういった方法が有効だと言われています。
まとめ
- 気持ちの切り替えは脳科学など、様々な観点から方法が確立されている。
- 切り替えの方法を自分の中で複数持っておけば、気持ちの切り替えはスムーズになる。
ぜひ、気持ちの切り替え方法をたくさん取り入れ、
より安定的に働き、稼ぎ続けられるようになりましょう。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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