私も含め、発達障害者には
コミュニケーションが苦手
という方が多いです。
今回は、
- 発達障害者はASDでもADHDでもコミュニケーションは苦手。
- それぞれコミュニケーションが苦手な理由が違うので、対応方法もそれぞれ。
- ASD傾向の強い人は、場面ごとの対応方法を覚えておくと良い。
ということについてお話ししたいと思います。
今回参考にしたのはこの本です。
特にASD傾向の強い人はコミュニケーションが苦手と言われる
まず、発達障害にはいくつかの種類があります。
これについてはこの記事で説明させていただいています。
発達障害の中で、コミュニケーションに問題が起こりやすいのが
ASDと言われています。
ASDの方には次のような特徴があります。
- 一方的に話してしまいがち
- 思ったことをそのまま言いがち
- 非言語コミュニケーションが苦手
→言葉以外でのやり取り(視線の使い方、人との距離など)
こういった特性があるため
言葉のキャッチボールが苦手=コミュニケーションが苦手
となりやすいのです。
また、脳の働きの中で
「他者の表情の理解」「他者の思考・感情の理解」
という部分が弱い、という特徴も報告されています。
「他者の表情の理解」=表情を見てその人を認識したり、その人の感情を予想する能力
「他者の思考・感情の理解」=「他人にとっての事実、他人の感情」を理解する能力
です。
これらが弱いので、他者とのコミュニケーションに、より困難が生じやすいのです。
実はADHDもコミュニケーションは苦手
ADHDについては、
比較的コミュニケーションについて指摘されることは少なかったりします。
ですが実は、脳科学の観点から見ると、
ADHDも
「他者の表情の理解」や「他者の思考・感情の理解」
が弱く、コミュニケーションに困難が生じる可能性が高い、ということがわかってきています。
コミュニケーションをうまくする方法
まずはASD、ADHDに共通する、脳の機能の弱さへの対応についてです。
「他者の表情の理解」を良くするための方法
ASDの場合は、顔をしっかり見ること
ASDの方は、実験の結果、
顔にしっかり注意を向けさせた場合は
表情を理解する能力は一般的な方の数値と変わらなかった、という結果が出ています。
そもそもASDの方は顔に興味がないので注意が向きづらいのです。
ですので、ASDの方の対策としては、
- 顔に注意を向けてもらう
- 顔のパーツを注意深く観察してもらう
ということが効果的です。
ADHDの場合は、顔に注意を向けること
ADHDの場合は、
顔に注意を向ける、向け続ける
という「注意」力の問題が影響しています。
脳には、「注意」という力に作用する部位があります。
それをうまくコントロールするために
マインドフルネスが良い
と言われています。
マインドフルネスの具体的な方法については、こちらの記事の中で紹介していています。
「他者の思考・感情の理解」を良くする方法
脳が他者の思考、感情を理解するのには、以下の4ステップがあると言われています。
- 注意を他人に切り替える
- 注意を向けた他人にとっての事実は何かを考える
- 自分に注意を向けて、自分ならどういう感情を持つかを考える
- 自分の感情を踏まえて、相手の感情を考える
この中の2と4の機能については、
- いろいろな社会的な刺激に触れる
- いろいろな言葉に触れる
といった行為により、成長が大きくなるということがわかっています。
ですので、できるだけ小さな頃から
いろいろなところに連れていき、違う立場の人や違う意見の人と接する機会をもつ
ということが重要である、と考えられています。
ASDの特性を踏まえた対処法
ASDの方については、より多くの場面でコミュニケーションに困難を抱えやすいため、
場面ごとの対応法を考え、身につけていくのが良いかと思われます。
主な場面としては、以下のような場面が想定されます。
- 報告、連絡、相談ができない
- 感情がすぐに表に出る
- 相手を怒らせてしまう
- 相手との距離感がわからない
- 相手の言葉を理解いしづらい
- 意見をうまく伝えられない
- 自分ばかり話してしまう
- 人付き合いが苦手
- 雑談ができない
この1〜6についてはこちらの記事で対応方法をお伝えしています。
今回は、7〜9の場面についてお話ししたいと思います。
自分ばかり話してしまう
ASDの方の衝動性が強い場合、
話をさえぎって結論を言ってしまったり、自分の話にすり替えたりしてしまいがちです。
また、ワーキングメモリーという脳の機能が弱い場合には、
頭に浮かんだことを忘れまい、とすぐに伝えようとして失敗してしまいます。
そこで、以下のことに気をつけるようにしましょう。
- とにかく相手の話を聞く
- しゃべりすぎた時は「ごめんね」などと一言入れる
- 結論を先に言わない
- 話に集中できない時も、なるべく笑顔でうなずきながら聞く
人付き合いが苦手
ASDの方の傾向として、
人とのやり取りに興味がもてない、挨拶が苦手
ということがあります。
次のようなことを覚えて、対応していきましょう。
- 「お疲れ様です」「お先に失礼します」などの適切な挨拶を覚え、積極的に使う
- 相手の長所を見つけて伝える、というクセをつける
雑談ができない
ASD傾向の強い人の中には、
すぐに言葉を発したり、話題を出すのが苦手
という人が多いです。
また、大勢の人がいると、一斉に話が聞こえてしまうため
話が聞き取れなくなったり、覚えきれなくなったりすることもあります。
これらのことに対しては、次のように対処すると良いでしょう。
- できる範囲でコミュニケーションをする
- 積極的にあいづちをうち、聞き上手になる
- 苦手であることを先に伝えておく
まとめ
- 発達障害者にはコミュニケーションが苦手な理由がいくつもある。
- それぞれの理由に対して対処法はある。それを覚え、実践していくのが大事。
私も日々コミュニケーションには悪戦苦闘しています。
一緒に頑張って乗り越えていきましょう!
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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