注意欠陥障害の大人、その特徴と対応

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注意欠陥障害、つまりはADHDの大人についてのお話しです。

実は自分ってADHDでは?

あの人ってもしかしてADHDでは?

大人になってそう思うこと、あるのではないでしょうか。

私自身、ADHDの診断を受けたのは大人になってからでした。

今回これをしっかり知っておくことで、

  • ADHDの特徴を正しく理解できる
  • 自身がADHDかも、というとき、あるいはADHDの人と接する時の対応について理解できる

といったメリットがあります。

今回参考にしたのはこの本です。



注意欠陥障害(ADHD)について

ADHDの定義

まず、ADHDとは注意欠陥・多動性障害のことです。

ADHDの特徴は以下の3点です。

  • 不注意
  • 多動性
  • 衝動性

診断には、アメリカ精神医学会の「DSMー5」の診断基準が用いられます。

診断基準について詳細はこちらのページを参考にしていただけると良いかと思います。

注意欠如多動症(ADD,ADHD) - 注意欠如多動症(ADD,ADHD) - MSDマニュアル プロフェッショナル版
注意欠如多動症(ADD,ADHD)-病因、病理生理学、症状、徴候、診断および予後についてはMSDマニュアル-プロフェッシ...

簡単に説明すると、

  • 不注意に関する症状が顕著に半年以上継続している。
  • 多動性および衝動性に関する症状が顕著に半年以上継続している。
  • 不注意または多動性、衝動性の症状が12歳以前から存在していた。
  • 不注意または多動性、衝動性の症状が家庭、学校など、二つ以上の状況で存在する。
  • これらの症状が、社会的、または職業的にハンデとなっている明確な証拠がある。
  • それらの症状が他の精神疾患ではうまく説明できない。

といった内容になります。

また、これ以外にもWISCのような知能検査等も重要な診断基準となります。

診断には、かなり多角的な判断が必要となります。

安易に「ADHDかな?」と判断せず、必要に応じてお医者さんに判断を仰ぎましょう

ADHDの大人と子どもの違い

ADHDの子どもと大人での大きな違いは、

  1. 個人差はあるが、大人の場合は多動性は弱まり、不注意が目立つ傾向がある。
    • ADHDの症状が大人になっても残るのは、ADHDの子どもの3分の1と言われる。
  2. 大人のADHDは発達障害に気づくのが遅れているため、二次障害が起きることもある。

という点です。

二次障害とは

生まれつきの障害特性に合わない環境で過ごし

無理に適応しようとして二次的な問題が起きている状態を指します。

(例)うつ病、不安障害、PTSD、他にも「社会的に不適切な行動の誤学習」など

問題になるケース

障害とは、環境と個性の関係性で発現します

障害が重くても環境が整っていれば問題がないケースもありますし、

障害がほとんどなくても環境が全く合わないせいで問題が起きてしまうケースもあります。

それに対し、大人になると、環境は厳しくなることが多いです。

要求されるレベルが高くなり、それによって問題が引き起こされるケースはたくさんあります。

例えば

  • 思いついてよく行動するが、挫折(ざせつ)する。
  • 単純作業、雑務、会議が苦手。
  • 段取りよく仕事ができない。
  • 物事を先延ばしにしてしまう。
  • 毎日の家事がうまくできない。
  • 片付けができない。
  • 事務的なことがきちんとできない。

                             などなど…

問題への対応

先ほどの問題のケースへの対応方法について考えていきましょう。

落ち着きのなさへの対応

落ち着きがない=フットワークが軽い

ともいえます。

ADHDの人を相手にする場合には、ほめたり、おだてたりしながら

具体的な指示を出して、大きな広い心で対応すると良いでしょう。

ADHD本人は、予定の中に「のんびり過ごす」というタスクを入れるのも良いかと思います。

また、あまりにも落ち着かなかったりイライラするようであれば

カウンセリングを受けるのも良いでしょう。

段取りよく物事ができないことへの対応

単純作業や同じことを繰り返すことは、持久力の乏しいADHDの人には苦手な作業です。

リラックスし、最低限のことができたらヨシとする心構えをもちましょう。

また、物事を見切り発車で始めがちなのがADHDの特性の一つなので、

物事を始める前に一呼吸おいて、段取りを考える、という習慣を身につけましょう。

片付けられないことへの対応

片付ける、ということもADHDの人には苦手な作業です。

手順を減らし、短期集中する、という方法で解決しましょう。

その一例を紹介します。

  1. タイマーを用意し、15分にセットする。
  2. 床に散らばっているものを一箇所にまとめる。
  3. 服は「洗濯、クリーニングに出す物」「今着る物」「季節ハズレの物」「捨てる物」に分ける。
  4. 本は本棚に。入らなければ読んでない本から捨てる。
  5. 書類は「よく使う大事なもの」「たまに使う大事な物」に分け、あとは捨てる。

このように、短期集中でカテゴライズだけしていく、というのが良いでしょう。

苦手なことを先延ばしにしたり、すぐに忘れたりすることへの対応

これらは特に大人のADHDで問題になりがちなことです。

色々な工夫をし、なんとか対応できるようにしましょう。

以下はその具体例です。

  • そもそも先延ばしグセをやめる。
  • メモする。
  • 予定表を書く。
  • タイマーやアラーム機能を活用する。
  • 翌日の準備は必ず前の晩にする。
  • 玄関ドアに張り紙をする。

まとめ

  • 大人のADHDは不注意症状が強く出やすい。
  • 大人のADHDは二次障害にもつながりやすい。早めの対応を。
  • 支援者は特性を踏まえて広い心で見守れると良い。
  • ADHD当事者は、さまざまな特性を自覚し、対応方法を覚えて対処することが重要。

私もADHDの当事者で、二次障害も経験しましたが、

そこから復帰するにはなかなかの時間が必要になるので大変です。

ぜひ、当事者も周囲の人もADHDへの理解を深め、互いに良い関係が築けられたら、と思います。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

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